事例概要
大阪府南部に位置し、泉佐野市と泉南市に挟まれる田尻町は、沖合には関西国際空港を抱え、空港島を除く面積は約2.3k㎡の小さな街である。街の中心部に小学校・中学校が一続きの運動場を挟んで向かい合う形で建ち、道路の向かい側には認定こども園と保育所及び子育て支援センターが併設された施設がある。田尻町はコンパクトな街の特色を生かし、「地域と共にあるたじり一貫教育」と施設整備を進めている。
田尻町教育センターは、小・中学校に隣接する敷地に、教育委員会の事務機能を集約し、先進的な授業や学習の実施、個別相談ができる機能を有した施設として開設された。1階に教育委員会事務局事務室を、2階に教室・個別指導室を整備している。
今後、これらの教育施設を「地域とともにある一貫校」として整備する計画を立てており、この施設での様々な活動を検証・分析し、施設整備に役立てていく。地域との交流を進め、地域とともにある学校をめざし、地域づくりの核となる教育環境の実現を進めている。
事例ポイント1
学校敷地内に教育センターを設置
周辺配置図
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(左・写真)グラウンドから教育センターへの入口の様子
(右・写真)グラウンドから教育センターへの入口は、スロープが設置されており、屋根付きの廊下で接続されている。
小・中学校共用のグラウンドに隣接して教育センターが設置され、小・中学校の敷地から直接アクセスできる。1階には、教育委員会事務局として、教育管理課・一貫教育推進課・生涯学習課が所在し、学校・役場・地域をつなぐ場づくりを行なっている。
事例ポイント2
庁舎内に柔軟で創造的な学習空間をつくり、学校と一体的に利用






庁舎内の学習空間の様子。利用形態に応じて分割することも可能である。
2階の教室にICT機器を配備し、8分割することが可能な2教室分の広さの学習スペースを整備。前後壁面ホワイトボード、1人1台端末やワイドプロジェクター、デジタル教科書等のICT機器を活用した授業や、少人数のグループ学習、教員研修など多様な学習スタイルに柔軟に対応できる。
また、机はグループワークに適した作りで、3人、4人、6人グループと、柔軟に連結できるようになっている。
事例プロセス
新たな学校施設のモデルとなる、教育センターの役割
田尻町が進めるたじり一貫教育について、学識経験者による専門的な知見や保護者の意見などにより総合的に審議するため、教育委員会の附属機関として「田尻町一貫教育審議会」を設置した。
教育センターは、先進的な授業や学習の実施、個別相談ができる機能を有した新たな学校施設のモデルとなるよう新設。センターでの様々な活動の検証や分析を生かして、新しい時代の学びを実現する一貫教育施設の建設を検討・推進していく。
施設概要
※整備当時
- 施設名
- 田尻町教育センター
- 所在地
- 大阪府泉南郡 田尻町
- 軽量鉄骨造
- 1棟2階建
- 延床面積
- 約720㎡